AGA（Androgenetic Alopecia）は、男性型脱毛症と呼ばれる脱毛症の一種です。50代、60代で発症した場合は年齢のせいとあきらめもつくでしょうが、20代や30代で発症した場合、治療するかどうか非常に悩むところだと思います。
自分自身の気持ちの面でも悩ましいのですが、お子さんがいる方は自分が薄毛であるせいで子供が学校でからかわれたりしないかどうか気になるなど、自分はそんなことは気にしないと考えていてもいざ髪の毛が薄くなると非常に頭を悩ませる問題です。
しかし、20代や30代の方の多くは給料もそれほど多くはないし、家庭への出費も多く、治療するとしてもできるだけ費用を抑えたいでしょう。病院やクリニックに行かずに自力で安く改善できる方法があるならそうしたいという方が多いのではないでしょうか。
そこで、病院に行かずにAGAを改善できるのか？自宅でできる治療法があるのか？その方法は？について記載していきます。
この記事の目次
AGAを自宅で改善できるか？
AGAとは？基礎知識
AGAは主に男性ホルモンの影響によって引き起こされ、髪の毛が徐々に細くなり、最終的には抜け落ちる進行性の疾患です。特に、前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなる特徴があります。
主な原因としては、遺伝や男性ホルモン（テストステロン）がDHT（ジヒドロテストステロン）に変換されることが挙げられます。このDHTが毛根に影響を与え、毛周期を短縮させることで、毛髪が成長期に十分に成長できなくなります。これがAGAの主なメカニズムです。
自宅ケアで改善できる可能性があるケース
AGAを完全に治療することは難しいとされていますが、自宅ケアで症状の進行を遅らせたり、ある程度改善を目指すことは可能です。例えば、以下のような場合には自宅ケアが有効であることがあります。
初期症状の場合
AGAが軽度であれば、市販の育毛剤や生活習慣の改善によって進行を遅らせることが多少はできるかもしれません。
遺伝的要因が軽い場合
AGAの進行速度が遅いケースでは、自宅ケアが一定の効果を発揮することがあります。
生活習慣の改善が可能な場合
食生活や睡眠、ストレス管理を徹底することで、AGAに影響を与える要因を抑えられる可能性があります。
自宅ケアの限界
一方で、自宅ケアには限界もあります。進行が進んでいる場合や、遺伝的な要因が強い場合には、育毛剤や生活習慣の改善だけでは十分な効果を得られないことが多いです。
また、ドラッグストアなどで購入できる育毛剤はクリニックなどでないと処方できない医薬品と違い含まれている有効成分が少ないため、率直に言って効果は非常に限定的です。
専門医との違い
では専門医ではどのような医薬品を使い、どのような治療を行うのでしょうか。
医療機関（病院やクリニック）での治療と自宅ケアの大きな違いは、治療内容の専門性と効果の確実性であり、多くの医療機関では以下のような治療を行っています。
内服薬の処方
フィナステリドやデュタステリドといった内服薬は、DHTの生成を抑制し、AGAの進行を止める効果があります。
外用薬の処方
塗布するタイプの医薬品である医療用ミノキシジルは、市販品よりも濃度が高く、効果が期待できます。
専門的な診断
経験ある医師による頭皮の状態や遺伝要因の診断を受けることで、個々の患者に適した治療法を提案してもらえます。
また、専門医による治療は、AGAが進行している中期から後期の患者や、市販薬や自宅ケアで効果が見られない場合に特に必要です。自宅ケアと組み合わせることにより高い効果を得ることもできます。
短期的にお薬だけ入手して自宅ケアを行うことで費用をおさえることもできますが、ある程度の期間継続的にカウンセリングを受けたり通院したりして自宅ケアと組み合わせて治療することで効果を維持できます。自分の状態を見極めたうえで適切な対応を取ることが重要です。
自宅で行うAGA改善法 ①生活習慣の見直し
では、比較的初期の状態のときに自宅でできるAGA改善方法はあるでしょうか？
その一つは生活習慣の改善です。生活習慣の見直しは自宅で取り組めるAGA改善の基本であり、毎日の小さな習慣が長期的な結果に繋がるため、焦らず継続することが大切です。
脱毛リスクを減らす食生活の工夫
AGAを改善するうえで食生活の改善は重要な役割を果たします。栄養バランスの良い食事を心がけることで、髪の健康を保つことができます。
たんぱく質を十分に摂取する
髪の主成分であるケラチンを生成するために、鶏肉、魚、大豆製品などのたんぱく質を摂ることが大切です。
ビタミンやミネラルを補給する
ビタミンB群、ビタミンE、鉄分、亜鉛などは毛髪の成長を促進する栄養素です。野菜や果物、ナッツ類を積極的に取り入れましょう。
脂質を控える
過剰な脂質摂取は頭皮環境を悪化させる可能性があります。脂っこい食べ物を控え、オメガ3脂肪酸を含む魚やナッツを選びましょう。
ストレスケアでホルモンバランスを整える
ストレスはホルモンバランスに影響を与え、AGAを悪化させる可能性があります。ストレスケアを取り入れることで、脱毛リスクを軽減できます。
リラクゼーションを習慣化する
瞑想や深呼吸、ヨガなどのリラクゼーション法を実践することで、ストレスを軽減しましょう。
趣味や運動でリフレッシュ
自分が楽しめる趣味や、適度な運動を行うことで心身のリフレッシュを図ります。
仕事とプライベートのバランスを取る
過労や長時間労働を避け、休息をしっかり取ることが重要です。
質の良い睡眠がAGA予防に有効
睡眠は体全体の回復を促し、髪の健康にも大きく影響します。質の良い睡眠を取ることは身体全体の健康維持だけではなく、AGAの進行を抑える助けになります。
十分な睡眠時間を確保する
成人には1日7–8時間の睡眠が推奨されています。睡眠不足はホルモンバランスを乱す原因になります。
就寝前のルーティンを整える
就寝前にスマートフォンやパソコンを使うのを控え、リラックスできる環境を作りましょう。
規則正しい生活リズムを保つ
毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計を整え、良質な睡眠を確保できます。
自宅で行うAGA改善法 ②市販薬と育毛アイテムを活用
ミノキシジルとフィナステリド
AGA治療において、市販薬の活用は非常に重要です。ただし、市販の育毛シャンプーなどは有効成分の含有量が低く、ある程度進行したAGAには効果があまりありません。ですから逆に病院やクリニックでは治療に用いられることはないのです（クリニックが独自に成分を配合した治療用シャンプーなどは別です）。
ミノキシジルとフィナステリド、デュタステリドといった医薬品は世界的にも広く使用されている薬剤であり病院やクリニックで処方される医薬品でもありますので効果はありますが、副作用もありますので、逆に言うと医師のカウンセリングやアドバイスなしに自分の判断だけで軽々に使用するべきではないと言えます。
ミノキシジル
概要: ミノキシジルは、頭皮に直接塗布するタイプの発毛促進薬で、多くの人が使用しています。
効果とメカニズム: 血管を拡張し、毛根に栄養を供給しやすくすることで、発毛を促進します。
使用方法: 毎日定期的に頭皮に塗布し、継続的に使用することが推奨されます。
フィナステリド
概要: フィナステリドは、飲み薬タイプのAGA治療薬で、男性型脱毛症の進行を遅らせる効果があります。
効果とメカニズム: ジヒドロテストステロン（DHT）の生成を抑制することで、髪の毛の脱落を防ぎます。
使用方法: 毎日一定量を服用し、医師の指導のもとで使用します。
注意点
両薬剤とも副作用が報告されており、ミノキシジルでは頭皮のかゆみや赤み、フィナステリドでは性欲減退や勃起不全が懸念されます。使用前に十分な情報収集と医師への相談が必要です。
AGAに効果的なサプリメント
ビオチン
効果: ビオチンは髪の健康を維持するためのビタミンで、髪の毛の成長をサポートします。
摂取方法: 市販のサプリメントとして、日常的に摂取することが可能です。
亜鉛
効果: 亜鉛は、髪の成長に重要な役割を果たし、細胞の再生を促進します。
摂取方法: 市販のサプリメントや亜鉛を多く含む食品を通じて摂取します。
オメガ3脂肪酸
効果: オメガ3脂肪酸は、炎症を抑え、髪の健康をサポートします。
摂取方法: 魚油サプリメントやオメガ3を多く含む食品を通じて摂取します。
注意点
必要以上に摂取すると、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
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育毛シャンプーや育毛剤の正しい使い方
初期段階では市販の育毛シャンプーや育毛剤もAGA対策として有効と言えますが正しい使い方を守ることが重要です。
育毛シャンプーの選び方と使用方法
頭皮の汚れをしっかり落としつつ、必要な栄養を補給するシャンプーを選びましょう。毎日使用することで頭皮環境を整えます。
育毛剤の効果的な使い方
頭皮に直接塗布し、指の腹で軽くマッサージするようになじませます。毎日継続して使用することがポイントです。
成分の確認
ピロクトンオラミンやアミノ酸系成分が含まれている製品は、頭皮に優しく効果的です。
その他、ヘッドマッサージャーも頭皮ケアの面で有効です。リフレッシュ効果も期待できます。
自宅ケアのリスクと注意点
間違った治療法が逆効果に？
AGAの自宅治療において、誤った方法を選択することは逆効果を招く可能性があります。
過剰な育毛剤の使用
一度に多く使用すれば効果が高まると考えるのは間違いです。頭皮に負担をかけ、炎症や副作用を引き起こす可能性があります。
不適切なケア製品の使用
頭皮に合わないシャンプーや育毛剤を使用すると、かえって頭皮環境を悪化させることがあります。
間違った情報に基づく治療
インターネット上の不確かな情報や口コミだけを頼りにすると、効果のない治療法に時間や費用を費やしてしまう恐れがあります。
副作用を避けるための注意事項
自宅治療で副作用を避けるためには、次のポイントに注意する必要があります。
製品の使用量と頻度を守る
指定された量や頻度を超えて使用すると、副作用が出る可能性があります。
アレルギー反応に注意
新しい育毛剤やシャンプーを使用する際には、必ずパッチテストを行い、アレルギー反応がないか確認しましょう。
パッチテストとはアレルギーの原因となる物質（アレルゲン）を皮膚に貼付して、その反応を調べる検査で、皮膚科の医院などで行われています。
医師や薬剤師に相談する
市販薬や育毛アイテムを使用する際には、専門家に相談してリスクを把握したうえで使用を開始しましょう。
効果が見られない時
自宅治療を続けても効果が見られない場合、次のタイミングで使用を一旦中止して次の行動を検討する必要があります。
一定期間使用しても効果がない場合
市販薬や育毛剤を数カ月間使用しても改善が見られない場合は、医師に相談すべきタイミングです。
症状が進行している場合
脱毛が止まらない、または範囲が広がっている場合には、専門的な診断と治療が必要です。
副作用が現れた場合
頭皮の赤みやかゆみ、その他の体調の変化などがある場合、すみやかに使用を注意して医師に診断してもらうべきです。
最適な治療を選ぶためのポイント
個々の状況に応じた選択
費用と効果を考慮する必要があります。 専門医による治療は費用が高いことがありますが、それに見合った効果を得られる場合もあります（もちろん効果が伴わないこともあります）。自力治療は費用を抑えられる反面、効果に限界がある場合があります。
また、自分のライフスタイルや継続可能な治療法を選ぶことが大切です。例えば10年前にオンライン診療を行っている国りにっくは少数でしたが、現在では多くのオンライン専門クリニックがあり、対面とオンラインの診療を両方行っているクリニックもあります。
対面、オンライン問わず多くのクリニックが使用する医薬品はフィナステリドとデュタステリド、ミノキシジルですので遠方に住んでいる方は交通費や時間を多くかかる対面にこだわらずオンライン専門クリニックでカウンセリングと治療を受けるのも選択肢の一つです。
専門医の意見をきく
進行状況を正確に把握し計画を立てるために、初期の段階だからこそ専門医の診断を受けることが重要と言えます。また、自力治療と専門医による治療を併用することで、より効果的な結果を得ることができる場合があります。
継続的なモニタリング
頭髪以外の体調も含めて定期的に効果をモニタリングし、治療法を見直すことが重要です。状況に応じて治療法を柔軟に変更することで、最適な結果を得ることができるでしょう。
まとめ
以上を考慮して自分にあった治療法を見つけることが大切です。
しかし、40代、50代であれば逆に「仕方ない」とあきらめて、同じお金をかけるなら薄毛に似合うファッションにお金をかけるのも楽しいのではないでしょうか。
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20代、30代である程度AGAが進行しているようなら、悩んだりストレスを抱えて家族にきつくあたったりするよりも、思い切ってカウンセリングと治療を受けることをおすすめします。
自力治療にこだわっていろいろな育毛剤を試したりマッサージャーを購入したりしていると気が付けば何万円、何十万円とお金を使っていたりします。「クリニックに行くとお金がかかるから」と自力治療しようとして本末転倒になるなら、自身の状態を正確に把握するためにも、まずカウンセリングを受けてはいかがでしょうか。
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